ビフォアー&アフター
ビフォアー&アフター Vol.1
下京区八王子町 H邸
保存状態は良好。しかし圧迫感が…
以前は、お婆ちゃんがお一人でお住まいだった町家。よく掃除され、とても丁寧に使われており、保存状態は良好でした。しかし、1階の天井高が町家の中でも特に古い規格を採用していたため著しく低く、圧迫感があり、現世代が生活するには不便がありました。
古い中にも新しい価値。新生町家誕生!
建具等の古建材をなるべく残しつつ、思い切って1階床部分を取り払い、土間化しました。こうして、足元が下がった分、天井高を稼ぐことが出来、圧迫感や暗さが緩和されました。また、同時に段差や仕切が解消されたため、平面的にも広さが増し、ユニークな空間が生まれました。
このような広い土間空間は、様々な作業が可能となるため、染色家や版画家、画家等の方々に好まれます。つまり、工房やアトリエとしての利用です。また、一般の方にとっても、リビング等、様式にとらわれないユニークな空間となります。
その他の改装としては、ユニット型浴室を新設し、現代生活にも不便がないよう心がけました。
1階部分の座敷に代わり、様々な可能性を持ったアトリエ土間の出現―。古い中にも新しい価値を内包した新生町家が誕生しました。